2017年5月18日木曜日

第46回日本IVR学会総会③

岡山コンベンションセンター 2017/05/18-20
投稿者:斎藤正人

 2017年5月18日~20日に岡山市で開催されました日本IVR学会総会に出席してきました。
さすが瀬戸内と思うくらい気候が良好で真夏日となりましたが、それにひけをとらないくらいに熱気ある学会会場で、IVRのトレンドを肌で感じてきました。

 当科からは、コストも考慮した再発のない効率的な塞栓術をコンセプトに、腹部内臓動脈瘤に対する塞栓術の基礎実験および臨床成績が発表され、ランチョンや一般演題の会場では満員御礼で、他施設においても興味ある内容なのだと痛感いたしました。

 また特別企画におけるガイドライン紹介にて、自身の診療と対比させ立ち位置を確認しつつ、知識の整理ができたほか、胆膵領域をメインに聴講した一般演題では、NanoKnifeを用いたIRE治療、ガイドワイヤを使用にて容易にステント膜を穿波可能な胆管カバードステント、SASIテスト方法など興味深い内容が多くみられました。Type2 エンドリークに対する診断・治療をテーマにしたシンポジウムにおいても、TAEのみならずsac塞栓併用が主流となりつつあることを確認でき、また、自身がまだ使用したことない塞栓物質であるNLEを早速使用してみたい気分となりました。

 学術的な内容から臨床面に至るまで幅広い内容を勉強することができるとともに、同世代の先生の活躍をみて刺激をうけました。自身のより一層のスキルアップできるよう日々精進したいと思います。

第46回日本IVR学会総会②

岡山コンベンションセンター 2017/05/18-20
投稿者:奥田洋輝

 2017/5/18からの3日間、今年のIVR学会総会は岡山での開催でした。東京経由で飛行機を乗り継がなくてはならないのかと思いましたが札幌-岡山間の便がちゃんとありました。北海道勢にとって直行便があるのはありがたいです。

 初の岡山県であったため、事前に観光地や名産について調べて行きました。有名な観光地が倉敷美観地区でしたが、結局近くの後楽園(日本3大庭園のひとつ)のみ観光しました。池や水路が多く設置されていて大地の緑とのバランスが良く、丘からの景色も素晴らしかったです。岡山城も隣接しており見学しました。烏城とも呼ばれていたそうで真っ黒な外観で堅固そうな印象でした。

 さて、本題に戻りますが今年の学会は「夢を力に Power of Dreams」をテーマに開催されました。あるセッションでは10年後のIVRをテーマに、IVRの現在までの変遷や今後の動向について語られていました。その中で印象的だったのは「他の医学に比べると歴史は浅いが、デバイスや医材の発展は著しく、その手技や知識を身に着けるのにイタチごっこになっている。しかし、解剖は不変であるから特に若い先生は勉強してください」といった内容でした。

 自分はIVRを学んでから少し時間が経ちましたが解剖学的知識が少ないため、いつも事前に解剖の確認を行っているのが現状です。単純に造影剤で写る血管にカテーテルを入れればいいというわけではありません。合併症を回避するため、時間短縮や被ばくを最低限にするため、造影剤で写らない部分も想定しながら行わなくてはなりません。人によって変異はありますが基本は同じです。

 今はこんな自分になりたいとか、こんなデバイスができないかなとか、「夢」を描く前に、基本知識としての「力」を身につけなくてはならないと感じた学会でした。

第46回日本IVR学会総会①

岡山コンベンションセンター 2017/05/18-20
投稿者:廣川直樹

 2017年5月18日-20日に岡山で行われた第46回日本IVR学会総会に出席しました。

 いつも感じることですが瀬戸内海地域は、そのロケーションからの雰囲気が何とも魅力的で、このたびの3日間においても、晴天がそれを後押しし、いまだ寒い北海道に帰るよりも、しばらく滞在したいと思ってしまった次第です。 開会式で大会長が岡山のいいところめぐりを勧めていましたが、勉強したい一心で3日間ずっと学会場にこもってました。 岡山B級グルメなるものを、学会場で積極的に宣伝してましたが、それに手を付ける余裕がないほど熱中しておりました(笑)。

 さて、この度は「夢を力に!」がテーマです。 私生活における夢は人に聞かせるようなものはないのですが、 IVRとしては施行中の研究の成果が今後の臨床に役立ってくれればと考えているところです。

「腹部動脈瘤に対する再発回避を目指す経済的コイル塞栓術」 の研究を、チーム一丸となって取り組み、そろそろ研究結果がそろってきたところで、この研究をランチョンセミナーで発表してほしいと、ボストンサイエンティフィックジャパンからオファーがあり、18日のランチョンセミナーで発表させていただきました。(ボストンさんありがとうございました。COIはありません。)

 発表前の控室では、親会社ボストンさんから挨拶がありましたが、英語が話せない私はドギマギして、発表前だというのに緊張感たっぷりになってしまったのですが、座長からの紹介をいただき、演題に上がった時にはもう冷静さを取り戻せてました。 これも、強制的に数多くの発表をやらされていたおかげと考えています。(K先生ありがとうございました。12回/年、それも症例報告ではなくすべてまとめものの発表をさせられた当時は恨み言が多くありましたが、今は機会を作ってくれたことに本当に感謝しています。)

 会場を見渡すと、ありがたいことに多くの方々が会場にいらしてました。 これは後から聞いたことですが、ランチョンセミナーの配布券も最初に終了していたということなので、全国のIVR医は、このテーマにはやはり関心がおありだと改めて感じた次第です。

 “末梢動脈瘤コイル塞栓においてコイルを少なくしても再発しない”、という戦略の長期成績と、その機序を動物実験で解析した研究発表です。 最終的な動物実験と物理実験の結果がまだですが、今年中には動物実験の最終報告ができますので、U先生が9月までに論文化します。 また、物理実験はこの2年間で結果を出し、O先生が臨床成績と合わせて論文化する予定です。

 実はこの分野は、身近な問題だけど実験が難しく未開拓でした。 我々の研究結果が、末梢動脈瘤のコイル塞栓術の考え方の基準点になってくれたらと、「夢が力に」なることを期待しております。

 この度も、ご高名な多くの先生のご発表から大変勉強させていただきました。救急分野、CVポート、2型エンドリーク、10年後のIVRなど、ためになる話ばかりでした。

 今回は当科IVR3名での参加でしたが、留守番に甘んじてくれたIVRを目指す若い医師にも、次の機会からは積極的に参加・勉強する機会を作りたいと考えております。若いIVR医がIVRで患者さんを満足させてあげれるように成長する夢をいつも見ております。

 また、今回は技師のOさんも参加されており、その向上心に感服しました。 このことから欲が出たせいか、より多くの技師さん、さらには看護師さんに参加していただければ、当院のIVRがよりいいものになるのでは、と勝手にここでも夢を見ておりました。

 この2つの夢が力になることを期待しています。

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