2022年6月30日木曜日

放射線治療科教室説明会2022夏 学内ポスター

 札幌医科大学放射線治療科の眞船です。教室説明会のポスターを手掛けている人です。医者です。学生さんとは、実習の国試対策講義でお会いすることがあるかもしれません。時々「先生は一体何者なんですか」と聞かれます。とてもデカルト的な質問で、稚拙な我をどう述べたら良いか分かりません。

 毎年御好評頂いているポスターですが、講座の方に時折問い合わせが来るようで、今年からは創作過程も含めて広報活動していくことになりました。今後もよろしくお願い致します。

 さて、今年のポスターはちょいとマニアックな内容になっています。

 1975年の元祖サメ映画「ジョーズ」にインスパイアされていますが、注目すべきはこのギザギザの顎(歯)の部分です。これ、大学のある場所で実際に撮影されたものなのですが、皆さんは一体何の部分か分かりますか。

 正解はこちらです。


おっ?



おお?



ででーん!

 札幌医科大学のブルー・シャークこと、Elekta社製の高精度放射線治療装置 『Synergy (シナジー) 』です。地下1階の第1放射線治療室という場所でお目にかかることができます。

 サメの歯型に見える箇所の構造について、Elekta社の公式サイトの Image Bank が参考になりますので画像を引用します。


 現在の放射線治療装置は、腫瘍などの標的臓器に対し、精密に放射線を照射することができます。これは数十枚のスリット状の金属板(リーフ:leaf)と大きな門(ジョー:jaw)を組み合わせ、複雑に開け閉めすることで実現しています。まさしく、顎の中に無数の歯が生えたような構造になっていて、各々を圧縮空気や電動モーターで機敏に動かし、放射線を自在に成形するのです。


撮影用に用意された照射野

 また、前述の写真のように内部から可視光線も発することができ、患者さんの身体に照射範囲を映し出すことで、治療部位の確認や精度の向上に寄与します。

 ポスターをご覧になり、なぜジョーズなんだろう?と初めは疑問に思ったかもしれません。放射線治療装置には、鉛でできた大きな顎(jaws)があるということを知って頂けたら嬉しく思います。

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