2022年11月29日火曜日

放射線治療科教室説明会2022秋 学内ポスター

 お久しぶりです、眞船です。コロナ渦に揉まれながら臨床・研究に勤しんだ2022年はあっという間に過ぎ、もう残すところ1か月となりました。皆さんにとってはどのような一年だったでしょうか。

 これまでのポスターは、外照射治療やIVRといった当科の看板診療を題材に手掛けてきました。一方で今回は、当科の第三の持ち味である核医学治療がテーマです。



 第7波が来る前の話ですが、いつも研究指導して頂いている上司と学生を囲んで飲んだことがありました。いい感じにお酒が入ったところで、上機嫌になった上司が私たちにこう言いました。 


僕たち放射線治療医はさあ、スナイパーなんだ。 
難しい依頼もたくさんあるけれど、癌を撃ち抜くためにあれこれ考える、 
そういう仕事なんだ。

 

ボス、学生さんを前に完全にデューク東郷です。

 千鳥足になりながら帰路につき、上司の言葉を思い出して、あゝ確かにゴルゴ13と放射線治療をかけあわせるのは良いかもしれない、と思いました。しかし、不吉な「13」をどうも活かしきれない。何かないかな、と酔っ払った頭であれこれ考えたところ、

(゚Д゚)ハッ!ヨード131があるじゃないか!

と気づいたのです。

 いつも核医学治療に努めておられる某医局長に役柄を頼み込み、若干(かなり)困惑されつつも、制作に取り掛かることができました。こんなど阿呆なギャグにひと肌脱いでくれる医局長、また、こんな自由奔放な僕の閃きを受け入れてくれている本講座の皆様には、大変感謝しております。深く御礼申し上げます。

 今回はその制作過程をタイムラプスでご覧いただけます。こちらからどうぞ。



 さて、学生さん向けにまた少し漫談をしましょう。放射線診断機器や治療機器の多くは電気を消費して放射線を発生させており、歴とした電化製品と言えます。一方で、放射線を放つ物質(=放射性物質)を活用することで様々な画像を得たり、病気を治癒する方法もあります。後者のような医学領域は、核医学(nuclear medicine; NM)と呼ばれています。

 放射性物質というと、半減期の長い核燃料や核廃棄物、いわゆるウランやプルトニウムを思い浮かべる方が多いでしょう。しかしそのような核種は人体への影響を調節しにくいため、現在の医療用核種は、半減期が数時間〜数十日ととても短いものが用いられます。今回のポスターにある放射性ヨウ素131は半減期が約8日で、医療用原子炉から抽出・生成し、放射線の強さを適切に調整して患者さんの元へ届けられます。

 原子炉というと、どうしても一般には原子力発電を連想しやすく、人によっては負のイメージを抱くかもしれません。しかしそこから生成された放射性物質は、ときに医療現場で人命を救い、ときに埋設配管の亀裂を見つけ出し、ときに新鮮なバナナを海上輸送するのに役立ちます。危険だからこの世から亡くなればいい、という単純なものではありません。

 その危険性を十分に熟知し、冷静かつ的確に付き合っていく。核医学の魅力は、まさにゴルゴ13の魅力と同じなのです。

2022年7月30日土曜日

Information Sessions 2022

This article is written by Dr. Shoh Mafune, a radiation oncologist at Sapporo Medical University Hospital.

  I made another poster as I did last year for information sessions of our residency program. This poster is a tribute to the best shark movie everyone knows and we need to share to understand its significance for radiation oncology.


  The fundamental goal of radiation therapy is to deliver radiation to a target such as malignant tumor while minimizing the amount of radiation absorbed in healthy tissue. Beam shaping is an important way to avoid radiation to healthy tissue and critical structures. Conventional collimators, called "jaws", are used to shape a rectangular treatment field; however, since the treatment volume is usually not rectangular, additional shaping is required. Therefore, modern linear accelerators (LINAC) are equipped with separate alloy blocks called multileaf collimators (MLC), which are made of lightweight, highly shielded tungsten and allow the intensity of the radiation to be adjusted by rapidly moving the MLCs. 

  In short, LINACs have two types of variable collimators: jaws, which roughly shape the radiation, and multileafs, which finely adjust the radiation.


  This "white shark", Synergy made by Elekta, in our hospital has a pair of great jaws and as many as 80 MLCs. Since radiation is invisible to eyes, it is difficult to know if the treatment field shaped adequately by the collimators. This white shark can also output blue light to make the shape visible.


  I created the special plan with a radiation therapy planning system (TPS) to give him a number of teeth.


  This is how the mysterious photos were created, as if we were under the sea. I would be very happy if you share this article.


***

Shoh Mafune, M.D.
Fellowship (Radiation Oncology)
Medical School: Sapporo Medical University
Internship: Aizawa Hospital
Radiology Residency & Radiation Oncology Fellowship : Sapporo Medical University

2022年6月30日木曜日

放射線治療科教室説明会2022夏 学内ポスター

 札幌医科大学放射線治療科の眞船です。教室説明会のポスターを手掛けている人です。医者です。学生さんとは、実習の国試対策講義でお会いすることがあるかもしれません。時々「先生は一体何者なんですか」と聞かれます。とてもデカルト的な質問で、稚拙な我をどう述べたら良いか分かりません。

 毎年御好評頂いているポスターですが、講座の方に時折問い合わせが来るようで、今年からは創作過程も含めて広報活動していくことになりました。今後もよろしくお願い致します。

 さて、今年のポスターはちょいとマニアックな内容になっています。

 1975年の元祖サメ映画「ジョーズ」にインスパイアされていますが、注目すべきはこのギザギザの顎(歯)の部分です。これ、大学のある場所で実際に撮影されたものなのですが、皆さんは一体何の部分か分かりますか。

 正解はこちらです。


おっ?



おお?



ででーん!

 札幌医科大学のブルー・シャークこと、Elekta社製の高精度放射線治療装置 『Synergy (シナジー) 』です。地下1階の第1放射線治療室という場所でお目にかかることができます。

 サメの歯型に見える箇所の構造について、Elekta社の公式サイトの Image Bank が参考になりますので画像を引用します。


 現在の放射線治療装置は、腫瘍などの標的臓器に対し、精密に放射線を照射することができます。これは数十枚のスリット状の金属板(リーフ:leaf)と大きな門(ジョー:jaw)を組み合わせ、複雑に開け閉めすることで実現しています。まさしく、顎の中に無数の歯が生えたような構造になっていて、各々を圧縮空気や電動モーターで機敏に動かし、放射線を自在に成形するのです。


撮影用に用意された照射野

 また、前述の写真のように内部から可視光線も発することができ、患者さんの身体に照射範囲を映し出すことで、治療部位の確認や精度の向上に寄与します。

 ポスターをご覧になり、なぜジョーズなんだろう?と初めは疑問に思ったかもしれません。放射線治療装置には、鉛でできた大きな顎(jaws)があるということを知って頂けたら嬉しく思います。

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放射線治療科教室説明会2023秋 学内ポスター

  ご無沙汰しています、札幌医科大学放射線医学講座のフェローの眞船です。卒論がなかなかacceptされず博士号が取れずにいます。😇 それはさておき、今年も教室説明会のシーズンがやってきました。近頃この仕事も若手に譲りつつあり、あと幾度携われるか分かりませんが、引き続きよろしくお...

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