2020年2月22日土曜日

第4回放射線治療人工知能研究会

 シニア・レジデントの眞船です。古平毅先生の講演から5ヶ月、JASTROから3ヶ月が経ちました。この間に色々ありました。中古でゲーミングPC (Core i7 8700 + GeForce GTX 2080Ti) を自費で購入し、Ubuntu 18.04 + CUDA 10.2 + TensorFlow-gpuで深層学習環境を構築したり、QuPathで自動セルカウンターを動かしたり、Jupyter NotebookでPythonを学びながらサンプル解析し、Kaplan-Meier curveやbeeswarm plotを線形データで出力してみたり。実は当方、長らくMacユーザーで、Windows/Linuxマシンを買って動かすのは初めてだったので、インストール時のACPIエラーやUEFIといった基本的なところで躓いたりしました。(遠い昔、BIOSでデュアルブート設定した経験しかなかった) 要領を得なかった上に、日中はパッケージアーカイブのミラーサイトがとても重く、夜中にapt-getさせては早起きして調整、勤務中にapt-getさせては帰宅後に調整、という忍耐を要する生活を続けてました。

CUDA入れてDockerでコンテナ作りTensorFlow。…は?
正直、色々と分からないことも多いけれど、自己の経験から言うと、この手のものはとりあえず実践してみないと何も始まらない。深層学習についてあれこれとノイズを撒き散らす輩が多い昨今だが、実際に手を動かしてみるドクターはなかなかいない。そもそも研究熱心な若手がおらず、今更革新技術と向き合おうというベテランもいない。行き詰まった場合には、qiitaのような国内ブログやgithubといった海外フォーラムを当たっていくしかなく、とても孤独な戦いだ。まあ頑張るしかない。

 とりあえず、本気になればAI関係のことは大体やれそうだと分かったので、臨床をやりながら放射線生物学も勉強し、かつ、重回帰分析などの数学的なことも勉強しなければならない、という状況になった。話題豊富な画像解析にも興味はあるものの、本命である放射線治療において、hotな分野は何かを見計らうのに苦心しています。アイディアは色々あるが、独創的すぎてもよろしくない。放射線治療人工知能分野の流行りを掴めれば、と思っていたところ、教室長にこの学会への参加を勧めらた訳です。IVRローテーション中でしたが、チームの皆さんにお願いし、研究会に行かせて頂きました。ありがとうございました。

電気店のホテルから。かいじやNEXも往来する。
21日(金)の夜に移動し、相澤病院研修時代の同期と晩飯へ。γネイルぶち込みまくってるよ、という整形外科的な嘆きに励まされる。…ワイもradifocusぶち込みまくってるよ…。その後は、心の故郷・秋葉原に移動し、APAホテルにcheck in。総武本線を眺めながら起床し、朝から電気店を物色して回る。PCパーツの価格チェックと、トピックな商品の情報収集など。メイドなんぞ興味なし。あっち行ってくれ。

 良い時間になったところで品川駅まで移動する。天気も上向きで、暑くて上着を脱ぐくらい。東海大学の高輪(たかなわ)キャンパスに到着。医師は少なめで、物理士さんが多いみたいだ。研究会出席すると何か点数が付くらしく、人工知能にまったく興味がなさそうな、落ち着きのない場違いな人間も散見できた。

全員マスク着用で行われた。
講演は2つあり、1つ目は人工知能研究の問題点、論文の通し方など。具体的にはCTやMRIの画像読影や眼底所見の診断に関するものだった。放射線治療の話題はほとんどなかったと思う。2つ目の講演は数学的な内容で、異常検知の考え方、クラスタリングなど、大変勉強になるものであった。平均顔が希少な美男美女になるのはなぜか、球面集中現象で説明できる話はとても感心した。

 結局、放射線治療に関する具体的なディスカッションは何もできず、コロナの影響で交流会も中止、そのまま退散してきた。今回、研究会に参加した後で、深層学習の教科書とやらを買ってみた。今の自分なら、結構読み込めそうな気がする。研究会のおかげかもしれない。本来の目的は達成できなかったが、今後、様々な先生の助けを借りながら、なんとか道を切り開いて行こうと思う。

2020年2月15日土曜日

第73回北海道血管造影Interventional Radiology研究会

ホッホッホ(※実在の人物とは関係ありません)
シニア・レジデントの眞船です。IVRローテーション中ですが「研究好きなら演題2つくらい余裕でしょ」と廣川先生からドSなお達しを頂き、IVR研究会で発表してきました。「IVRはがんがん質問が飛んでくるから心しとけよHAHAHA」と煽られ、かなりビビりながら準備作業へ。直前になり、そんな自分に追い打ちをかけるかように廣川先生が「ちなみに当日オレ居ないから!よろしくっ!」と一言。マジかよ。自分も自分で、チーム内予行で「炎上希望です」と果敢に挑んだら、本当に火だるまにされました。ありがとうございました。直前まで齊藤先生にご指導を頂き、スライドのあちこちを修正しながら、結局ほぼ徹夜で会場入り。(←触れ込みに相当びびってる)

 場所はいつもの北海道大学学術交流会館。色々な学会や研究会で来たことはあったが、ここでIVRの発表をするとは思わなかった。初めのセッションを傍観していると、質問が左から右からたくさん飛んでいく。・・・確かに、今まで見てきたどの学会や研究会よりも質問が多い。だいたい、マイクスタンドへの歩み寄り方が機敏だし、興味深い演題では質問に列までできている。それを見て眠気が完全に吹っ飛び、セッション中に自分の発表の確認をしようとしたが、諸先生方の演題が面白くて準備に集中できない。これは僕が無知故にではあるが、例えば、難治性胆汁瘻に無水エタノールなどを注入してアブレーションすることを初めて知り、口を開けて聞き入ってしまった。ビビリな僕には考えもつかない治療戦略だと思う。

当日の写真がない。技術で創造するしかない。
僕の演題は外傷性遅発性血胸と、CVカテーテル挿入時動脈誤穿刺の症例提示で、いわゆる「若干の文献的考察を加え」、5分で発表させて頂いた。いざ始まるとすべてが一瞬だったが、やはり、大勢の前で発表するというのは大変気持ちの良いものでした。科内炎上の甲斐あって、質問にも概ね答えることができました。途中、齊藤先生の助け船を頂く場面もありました。ありがとうございました。

 最後は、NBCAに関するシンポジウムが開かれた。使い方のコツや合併症に関するディスカッションなど、話題は多岐に。諸先生方が様々なことに悩みながら、工夫を凝らして使っているということが伝わり、大変勉強になりました。

 すべての発表が終わり、奥田先生に晩御飯と日本酒を奢って頂きました。ご馳走様でした。IVRチームすべての先生には、このような機会を与えて頂いたこと、時間を割いて御指導に当たって頂いたことに、心から感謝致します。また発表する機会がありましたらよろしくお願い致します。

 次はいよいよ、放射線治療人工知能学会です。僕がずっと行ってみたかった学会です。またブログを更新します。

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放射線治療科教室説明会2023秋 学内ポスター

  ご無沙汰しています、札幌医科大学放射線医学講座のフェローの眞船です。卒論がなかなかacceptされず博士号が取れずにいます。😇 それはさておき、今年も教室説明会のシーズンがやってきました。近頃この仕事も若手に譲りつつあり、あと幾度携われるか分かりませんが、引き続きよろしくお...

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