パシフィコ横浜 2018/04/12-15
投稿者:坂田耕一
第77回日本医学放射線学会総会参加記2018年4月13日から15日まで横浜パシフィコで開催された「日本医学放射線学会総会」に出席してきました。この学会は、放射線治療医、IVR医、放射線診断医が対象の学会です。私のような放射線治療医は、どちらかというと、秋に開催される日本放射線腫瘍学会(JASTRO)に参加することが多い傾向があります。しかし、放射線診断の最近の進歩をフォローしたり、機器展で展示される放射線機器の進歩を知るのには、とても良い機会です。
写真は、「放射線科と人工知能」というシンポジウム会場の入り口です。これに参加するのを楽しみにしていたのですが、写真のように超満員で、会場に入ることが出来ませんでした。私は、30年以上、この学会に参加していますが、会場に入れなかったのは初めてです。
近い将来、人工知能が放射線医学を大きく変化させると感じている放射線医学関係者が急激に増えていることを示しています。ちなみに、昨年の学会では、「人工知能」と名前がついたシンポジウムはなかったと記憶しています。今後の放射線医学の発展がとても楽しみです。
2018年4月13日金曜日
JRC2018②
パシフィコ横浜 2018/04/12-15
投稿者:廣川直樹
JRS2018 (会期; 2018年4月12日‐15日)に参加してきました。
この度は放射線科専門医制度認定指導者更新のための講習会の参加がメインでした。さらには、この4月から放射線科専門医認定(1階部分)が日本専門医機構の認定に移行したため、学会認定とのかかわりを深く知る目的もありました。結果的には親方が2者になる複雑さを感じた次第です(詳細は後ほど示します)。
さて、いつもは木曜日の午後からさびしくポツンと始まるIVRの一般演題セッションが今回はありませんでした。このため、木曜日はCyPosでIVRの勉強をさせていただきました。かねてからIVR時の鎮静にミダゾラムを使用しているのですが、デクスメデトミジンへの変更を考えていたところ、その利便性と安全性を確認させていただけた発表がありました。当科での導入に大いに参考にさせていただきます。ありがとうございました。また、その他には、胸部診断のセッション、診断ピットフォールのシンポジウム、AIのランチョンなど参加させていただきましたが、富士通のAIランチョンは立ち見が多く盛況でした。富士通は解剖解析がほぼ出来上がり、診療ワークフローの手助けはもうできていることを強調しておりましたし、更には、診断への応用に近づいているという力強い言及もありました。自動レポートもそう遠くない速さで進歩しているようですが、日本が取り残されている感も否めないとのことです。
最後に専門医制度についてです。
放射線専門医(2階建ての1階部分)が機構認定に移行されたため、専門医受験や更新時に必要な認定された講習会が機構と学会で区別されていました。1階部分の更新のためには、機構認定の講習会の単位を満たすことが必要ですし、サブスペシャリティーである2階部分の更新には、学会認定の講習会を受けなければならず複雑です。今までは、2階部分のサブスペシャリティー更新時に、1階部分の更新は自動でついてきましたが、本年度以降は機構で5年ごとに更新される必要があります(それでも窓口は学会でいいそうです)。1階、2階が別親方でとなんともわかりづらいですし、機構からのお達しが朝令暮改となるため学会側も困っているようです。学会員に周知させてもすぐに決まりごとが変わることがあるとのことでした。ですので、学会としては1か月程度の周期で、JRS学会ホームページの専門医制度に関する項目を確認してくれとのことでした。おそらく我々でできることは指示があるように頻回の確認かもしれません。ちなみに、2階部分のサブスペシャリティーの更新が、今後学会から機構に移行するかは現時点では不明とのことでした。
毎回この総会はIVRより主に診断の方を勉強させていただいております。放射線診断領域のレントゲン、CT、MRIに次ぐ、第4次革命と考えられるAIとかかわりを深く考えさせられました。“いい友達”としてAIとの共存が望まれますが、友達ではなく侵入者として考えている多くの方がいるのかもしれません。
投稿者:廣川直樹
JRS2018 (会期; 2018年4月12日‐15日)に参加してきました。
この度は放射線科専門医制度認定指導者更新のための講習会の参加がメインでした。さらには、この4月から放射線科専門医認定(1階部分)が日本専門医機構の認定に移行したため、学会認定とのかかわりを深く知る目的もありました。結果的には親方が2者になる複雑さを感じた次第です(詳細は後ほど示します)。
さて、いつもは木曜日の午後からさびしくポツンと始まるIVRの一般演題セッションが今回はありませんでした。このため、木曜日はCyPosでIVRの勉強をさせていただきました。かねてからIVR時の鎮静にミダゾラムを使用しているのですが、デクスメデトミジンへの変更を考えていたところ、その利便性と安全性を確認させていただけた発表がありました。当科での導入に大いに参考にさせていただきます。ありがとうございました。また、その他には、胸部診断のセッション、診断ピットフォールのシンポジウム、AIのランチョンなど参加させていただきましたが、富士通のAIランチョンは立ち見が多く盛況でした。富士通は解剖解析がほぼ出来上がり、診療ワークフローの手助けはもうできていることを強調しておりましたし、更には、診断への応用に近づいているという力強い言及もありました。自動レポートもそう遠くない速さで進歩しているようですが、日本が取り残されている感も否めないとのことです。
最後に専門医制度についてです。
放射線専門医(2階建ての1階部分)が機構認定に移行されたため、専門医受験や更新時に必要な認定された講習会が機構と学会で区別されていました。1階部分の更新のためには、機構認定の講習会の単位を満たすことが必要ですし、サブスペシャリティーである2階部分の更新には、学会認定の講習会を受けなければならず複雑です。今までは、2階部分のサブスペシャリティー更新時に、1階部分の更新は自動でついてきましたが、本年度以降は機構で5年ごとに更新される必要があります(それでも窓口は学会でいいそうです)。1階、2階が別親方でとなんともわかりづらいですし、機構からのお達しが朝令暮改となるため学会側も困っているようです。学会員に周知させてもすぐに決まりごとが変わることがあるとのことでした。ですので、学会としては1か月程度の周期で、JRS学会ホームページの専門医制度に関する項目を確認してくれとのことでした。おそらく我々でできることは指示があるように頻回の確認かもしれません。ちなみに、2階部分のサブスペシャリティーの更新が、今後学会から機構に移行するかは現時点では不明とのことでした。
毎回この総会はIVRより主に診断の方を勉強させていただいております。放射線診断領域のレントゲン、CT、MRIに次ぐ、第4次革命と考えられるAIとかかわりを深く考えさせられました。“いい友達”としてAIとの共存が望まれますが、友達ではなく侵入者として考えている多くの方がいるのかもしれません。
ラベル:
学会報告
JRC2018①
パシフィコ横浜 2018/04/12-15
投稿者:奥田洋輝
第77回日本医学放射線学会総会に参加してきました。放射線治療科・診断科医師だけでなく放射線に関わる技師を中心とした物理学会学術大会も合同で開催するため非常に参加者が多く、例年通りパシフィコ横浜という大きな箱での開催となりました。
教育講演を中心に参加してきましたが、新規で得られる知識が多く未熟であることを実感しました。ただ、以前は興味をもてなかった当科では行っていない手技についても集中して勉強することができ、また、‘item’という総合国際展示にも足を運ぶ余裕が今年はありました。今回初めてitemに参加しましたがこちらも非常に盛況で会場を埋め尽くさんばかりでした。各メーカーからCT、MRIやangio装置が出展され、PACSなどのシステムや放射線防護板まで最新機器の展示が行われていました。
もともと放射線科は機械のウェイトを占める割合の多い科であるため、こういった最新機器や情報を積極的に取り入れないといけません。最新情報では特に今回AIをテーマにした講演やシンポジウムが目立ちました。皆の関心が高く、関連するランチョンセミナーの整理券はすぐなくなり、立ち見も出るほどでした。AIは特に診断部門において直結しており、なかでも肺や脳を中心に開発が進んでおりdetectだけでなく鑑別や診断レポートの元となる文章も自動で作成される日もそう遠くないようです。海外だけでなく国内でも着々とAI開発が進んでおり、今のうちから共生可能な技術を身につけなくてはならないと感じた大会でした。
投稿者:奥田洋輝
第77回日本医学放射線学会総会に参加してきました。放射線治療科・診断科医師だけでなく放射線に関わる技師を中心とした物理学会学術大会も合同で開催するため非常に参加者が多く、例年通りパシフィコ横浜という大きな箱での開催となりました。
教育講演を中心に参加してきましたが、新規で得られる知識が多く未熟であることを実感しました。ただ、以前は興味をもてなかった当科では行っていない手技についても集中して勉強することができ、また、‘item’という総合国際展示にも足を運ぶ余裕が今年はありました。今回初めてitemに参加しましたがこちらも非常に盛況で会場を埋め尽くさんばかりでした。各メーカーからCT、MRIやangio装置が出展され、PACSなどのシステムや放射線防護板まで最新機器の展示が行われていました。
もともと放射線科は機械のウェイトを占める割合の多い科であるため、こういった最新機器や情報を積極的に取り入れないといけません。最新情報では特に今回AIをテーマにした講演やシンポジウムが目立ちました。皆の関心が高く、関連するランチョンセミナーの整理券はすぐなくなり、立ち見も出るほどでした。AIは特に診断部門において直結しており、なかでも肺や脳を中心に開発が進んでおりdetectだけでなく鑑別や診断レポートの元となる文章も自動で作成される日もそう遠くないようです。海外だけでなく国内でも着々とAI開発が進んでおり、今のうちから共生可能な技術を身につけなくてはならないと感じた大会でした。
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